「今、劇団を立ち上げるわけ」 俳優 有薗芳記
今までいろいろな舞台を観劇してきて物足りなさをずっと感じていました。
それは『その場で起きている舞台が少ない』ことです。
稽古場で作り上げた完成形を目指している舞台を見ると、ストーリーや作品のテーマを追うことがメインになってしまい心が動きません。
還暦を過ぎた今、《自分が本当に面白いと思う演劇を観たい》という思いがふつふつとわき上がってきました。それなら演出をしなければと2021年9月、まじんプロジェクト第五回公演「伝説の男」(作・中島新 於:中野ザ・ポケット)で初めて演出をしました。
自分の思う面白い舞台
ー演技の上手さではなく、役者の個性と魅力を全面に押し出す作品ー
になったと自分では思っております。
そして2022年10月、グッドディスタンスー風吹く街の短篇集 第六章ー「仮説に、ゆれる」(作・深井邦彦 於:下北沢シアター711)で2度目の演出をしました。
今まさにそこで起きていることを繊細にお見せする舞台
観客が想像力を駆使して観る舞台
を念頭に作りました。
演出の面白さと難しさを痛感しました。
そして深井氏の才能を改めて感じました。
その後も演出をしたい作品を探しながら3年間、S&S ACT(俳優コース)http://ss-act.comにて演技講師を務めておりました。
ここで生徒の皆さんと演劇に取り組みながら、自分の観たい演劇が具体的に見えてきました。
生身の人間がそこにいて微妙に揺れ動いている舞台
そんな時、2023年9月26日~10月1日にアウルムの作品として福士誠治氏演出で上演された「漂う、傍観者ども」(作・深井邦彦 於:下北沢OFF・OFFシアター)を拝見し、自分なりに違ったアプローチで上演したいと思いました。
また深井氏の作品を定期的に舞台化したいと思うようになりました。
自分の観たい演劇をみなさんがどう感じられるか是非見てみたいです。
応援を何卒よろしくお願いします。
0コメント